今回は私が紹介したTOEIC対策でもご紹介した「英文解釈教室 改訂版」をご紹介します。
この参考書は私の中では最も「やってよかった」教材の一つです。
その効果はTOEICだけでなく英文読解や仕事で使うライティングスキルの向上にも壮大に貢献してくれました。
私の中では唯一無二の名著です。
TOEICのスコアを800点まで上げたい、という方にとっても本書の難易度は高く、オーバースペックと言われるかもしれません。
そのくらい難しいです。
しかし、本物の英語読解力を身につけたい方や、その先の900点を見据えている方にとっては、本書の貢献は多大なはずです。
世間では本書を精読のための教材として位置づけられていますが、個人的には精読だけでなく、何度も読み込んで多読することで、英文読み下し力がグッと改善できる教材だと思っています。
英文解釈教室をマスターする目的
TOEICのPart7で時間が足りない方の多くは、実はPart7の長文を読解できていたりします。
問題なのは、正確かつ素早く読み下す力が足りないことです。
本試験ではPart7の長文を短時間で一気にさばかなくてはなりません。
これが難しいのです。
一般にリーディングで塗り絵をせずに全問解答できるのは、スコアが900点になってからだと言われています。
TOEICでハイスコアを取るためには「時間をかければ読める」というレベルから「正確に内容を理解しつつ、速読で読み下すことができる」レベルになる必要があると言うことです。
これこそがPart7の鬼門なのです。
そこで「英文解釈教室 改訂版」の出番です。
本書は英文の文構造を明らかにしつつ、頭から読み下すための方策を教えれます。
例文は極めて難解ですが、このレベルの英文を読み下せるようにしっかりとトレーニングすることでTOEICのPart7くらいの英文は軽々と読み下せるようになり、Part7のスコアアップがほぼ確実なものとなります。
英文解釈教室に取り組むタイミング
英文解釈教室には取り組むタイミングがあります。
というのも、本書の難易度は極めて高く、読者に「これでもか!」と読解負荷を掛けてくる内容ですので、初学者が本書に取り組むとおそらく(内心は絶対と思っていますが・・)挫折するからです。
また、基本的な文法事項は全てマスターしている事を前提に、解説されているので、事前の文法理解は絶対です。
本書の「あとがき」には次のような事も書かれています。
本書のように諸君がある程度の力を持っていることを前提として書かれた書物では、後の叙述を読んで前の方がわかる場合が出てくるのはやむを得ぬことである。
このコメントからも、事前に文法理解をしっかりとした上で本書に取り組む必要性が分かると思います。
事前の文法理解ってどの程度の理解度なのかを私の経験から示してみます。
事前の文法理解度
TOEIC公式問題集のPart7の長文の文構造が理解できるレベルが一つの目安になります。
TOEICのPart7の文構造は比較的シンプルですので「時間をかければ」読解できるという方も結構いらっしゃると思います。
このレベルの方はすぐさま本書に取り組んでOKです。
ただし、このレベルではかなり苦戦すると思いますので、挫折リスクが多少あります。
ですので、私は自身のTOEIC対策「370点→800点をとった僕が考える本気のTOEIC攻略法」で、TOEICの公式問題集2冊分の長文精読&多読を済ませて、さらに「詳解英文解釈法 (チャート式・シリーズ)」という英文読解参考書をマスターしたあとに、本書に取り組む事を強くオススメしています。
詳解英文解釈法 (チャート式・シリーズ)は本書に引けを取らないくらいタフな教材ですが、本書に入る一段階前の教材としてはもってこいの秀逸な教材なので、そちらも合わせてご検討下さい。
本書の使い方
本書の取り組み方は既に記事にしましたが、再度示したいと思います。
本書も他の教材と同様、1回転させるだけでは血肉になっていかないので、何回転もさせます。
私は合計で精読1回転+多読5回転の計6回転させました。
1回転目
まずは、本書を1回転じっくり読み込んでください。
著者の言わんとする事を「意識的」に噛み締めながらじっくりと読み込むのです。
本書の構成はシンプルで、短い英文を使った読み下し法の解説→少し長い例題を読解→例題の解説(※これが秀逸!)といった形です。
私は1回転目に、この例題をできるだけ精読して、文構造を書き込みました。

いま見るとひどく乱暴な精読ですが、まあ当時はこんな感じで書き込んでいました。
この要領で何とか1回転させてください。
ここでの精読は2回転目からの多読で効いてくるので、分からない単語や文法は出来るだけ潰しておきましょう。
ただし、著者の解説は結構難解だったりまします。
ネットで調べても、どうしても理解できない箇所が出てくるかもしれません。
そんな時は、2回転目以降の多読のフェーズで理解が追いついてくる事がありますので一旦捨ておいて先に進んでください。
モチベーション低下が一番の敵ですので。
著者も本書で「後の叙述を読んで前の方がわかる場合が出てくるのはやむを得ぬことである。」と言っています。
2回転目以降
精読を1回転させたら、ここからは多読に移ります。
1回転目で精読した例題を3回(以上)音読します。
もちろん「文構造、文法、語法、単語を理解した状態で」です。
英文の内容を理解しながら出来るだけ声に出して音読を繰り返してください。
読み下すためのトレーニングは「精読→音読」にかぎります。
その題材としてこの本書の例題が与えてくれる負荷は読み下し力を押し上げてくれますので、負けずにやり込んでください。
結果は必ず出るはずです。
まとめ
TOEICのPart7の英文は比較的シンプルなので時間をかければ多くの人が読解できます。
しかし、本試験ではこれを極めて短時間でさばく必要があり、これこそがPart7の難しいところです。
そんなPart7を攻略するためには、英文の内容を正確に理解しながら、読み下せるようになる必要があります。
そのためのトレーニングとして脅威の効果を示すのが「精読+多読」です。
英文解釈教室はこのトレーニングをする上で質の良い負荷を与えてくれるため、TOEICでハイスコアを目指す方は本書を是非ともやり込んでみてください。
みなさまの健闘を祈ります。
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