自己分析や志望動機を作ろうとする時、私が最も役に立ったと思う就活本があります。
それが「ロジカル面接術」です。
これ、今やベストセラーなんですね。
私の頃はかなりマイナーな部類だったんですが、本書の内容を考えるとベストセラーになるのは頷けます。
今回はロジカル面接術が提唱する考え方を紹介します。
目次
就活での論理武装の方法がわかる
本書は就活生が就活のなかで持つべき論理武装の方法を体系的に整理してくれています。
その内容は極めてシンプルで、誰にでも理解できる内容になっています。
その体系がこちらです。

これだけです。
結局、選考過程であなたが採用担当に伝えるべき事はたった一つ。
「私は御社に貢献できます」
これだけだ!と断言されています。
初めてこれを読んだ時は、「なにを今更・・そんなの当たり前やん」と軽視していました。
しかし、この当たり前を本当の意味で理解し、実行に移すことが出来ている人はあまりいません。
私はこの「私は御社に貢献できます」というメッセージに一言だけ追加して、「私は御社の業績に貢献できます」と修正解釈して、自己PRや志望動機を考える基礎としました。
結局、企業側が採用する目的は永続的に業績を上げるためです。
この当たり前の事実を直視すれば、選考過程で何を話せば良いかがグッとクリアになります。
「貢献できます」=「能力」×「フィット感」
次に「私は御社の業績に貢献できます」というメッセージをどうやって面接官に納得させるかを考えます。
本書ではその証明のために必要な要素は2つあると定義しています。
それが、「私には能力があります」と「私は御社に合っています」です。
これを言い換えると、自分は御社に貢献するだけの能力を持っている!しかも、御社は自分にフィットしているから、その能力を十二分に発揮できるはずなんだ!
というメッセージで相手を説得することで、スムーズに納得感を植え付けるのです。
ここで気がついて頂きたい事は、この2つの要素はそれぞれ自己PRと志望動機で証明することになる、という事です。
「私には能力があります」は自己PRで表現すべきメッセージ。
「私は御社に合っています」は志望動機で表現すべきメッセージということです。
では、それぞれどのように証明するか見て行きます。
能力=問題解決能力×行動力×コミュ力
本書は貢献するための能力は問題解決能力と行動力とコミュニケーション能力の3つに集約できると考えています。
そして、このうちコミュニケーション能力については、取り立ててエピソードトークを準備する必要はなくて、面接官との対話の中で自ずと伝わるものだと割り切っています。
となると、面接で表現すべきは2つ。
課題解決能力と行動力ということになります。
この2つの能力を有している事をご自身のエピソードをベースに相手に伝えることで、業績に貢献できるだけの力を持っている事を説得します。
じゃあ、これら2つの能力を示すためのエピソードって一体どんなものでしょうか。
課題解決能力と聞くとなんだか仰々しいですが、これって結局のところ、「困難に直面したときにどんな事を考え、どんな行動を起こし、どんな結果が得られたか」をエピソードにすれば良いと思っています。
この類のエピソードには時間軸が長いものや短いものがあります。
以下に私の超簡略版の例を示しますが、これは比較的長いタイムスパンでのエピソードです(2年くらい掛けて得られた体験)。
「内定切り」→「無力感」→「存在証明してやると開眼」→「経営を学ぶと決心」→「会計士受験」
これで問題解決能力と行動力を伝える事ができます。
フィット感は目標達成に必要な機会が得られるかで決まる
次に志望動機に繋がる「私は御社に合っています」というメッセージの証明です。
これは、まずあなたの目標や夢を起点に考えます。
そして、その目標を達成する上で、どのような企業があなたにとって望ましいかを定義してください。
たとえば、キャリアが多様であること、収益性が高いこと、イノベーションの爆心地が現場にあること、など自身で明確に定義付けてください。
次に定義した要素をその企業が満たしているという事実を集めます。
私の場合は、先輩社員との話からキャリアの多様性について情報を集めましたし、決算資料や会社説明会の情報から、ビジネスモデルや他社優位性などの特徴を定義できました。
具体的なファクトで有ればあるほど、説得力は増します。
就活のプロセス自体が仕事の進め方の基礎
ロジカル面接術に書かれている事は、なにも就職活動だけに必要なことではありません。
論理的に伝えるために、伝えるべき内容を体系的に整理し、思考することは、内定した後に仕事を進める上でも必要になる頭の使い方です。
その意味でも就活生にとって本書の価値は大きいものだと思います。
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