TOEICでスコアを取ろうして試行錯誤した私が考える、効果の無かった教材を共有します。
巷には効果があった教材は掃いて捨てるほど報告されていますが、無駄だった教材はあんまり見かけないので、ご参考までに。
今回紹介する個人的にイマイチだった教材はこれ。
ハートで感じる英文法
はい。「ハートで感じる英文法」です。
これ、超有名じゃないですかね?
なんせ、著者の大西先生がNHKで英語教育番組で出まくってますから。
私がこの本を購入したきっかけは、会社の先輩が薦めてくれたことです。
英語ができなくて困っていた時に、やさしくこの本の存在を教えてくださいました。
でも、結果的に効果は全然得られませんでした。(先輩ごめんなさい)
先輩には「どうだった?」と聞かれましたが、曖昧な返事しかできなかったと思います。
読む前と読んだ後で何か変わったか?と聞かれても、何も変わっていないとしか言いようがありませんでした・・。
1. 網羅性がなさすぎる
まず第一に本書で登場する表現は極めて限定的です。
書店で立ち読みしてもらえればすぐに分かると思いますが、まったくもって不十分です。
ですので、TOEICをはじめとした試験勉強には不向き。
著者が出している文法書「一億人の英文法」の方が網羅性という点では絶対に良いです。(これも個人的には決してオススメはしませんが・・まだマシという意味です)
2. 読み物でしかない
ハートで感じる英文法がめざす目標は「中学・高校で学んだ基礎的な英文法を知識から感覚に転換すること」と書かれています。
なるほど、たしかに本書は前置詞をはじめ、複数の表現を視覚的かつ感覚的に理解できるように説明が施されています。
そして、その内容もとても分かりやすい。
「なるほど〜」と頷く事もしばしばありました。
ただ、本書で英文法の知識を感覚レベルにするのは難しいです。
なぜなら、トレーニングするだけの例文が無いからです。
読み物としてなら面白い。
でもそれだけって感じです。
英語学習のとっかかりとしてなら、いくらかの価値はあるかもしれませんが、英語を本気で学ぼうとする人にとっては不向きです。
3. 感覚レベルの理解=知識×鬼の訓練
本書の目的は英文法の知識を感覚に転換する事らしいのですが、正直いってそれがこんな読み物を読んだだけで達成できる訳がありません。
たしかに、本書は感覚で理解し易いように工夫されています。
でも、これを読んでも「英語の感覚を”頭”で理解した」だけ。
決して「知識→感覚」は達成されません。
「なるほど、MUSTの基本イメージは”圧力”なのかー・・」ってな感じで頭では分かっても、実際に運用できるかと言えば、疑問なんです。
なぜかと言えば、文法知識を感覚レベルに昇華するには、文法事項を意識しながら大量の英文を読んで、聞いて、話すしかないからです。
つまり、大量のトレーニングが必要という事です。
それ以外で知識を感覚に転嫁する方法は残念ながらありません。
そして、本書に十分なトレーニング素材が無い以上、読み物どまりなんです。
本書を読んだだけで、知識が感覚レベルに昇華できるほど甘くはないです。
結局は骨太教材をいかにやり込むかが鍵
ハートで感じる英文法は確かに読み易いのですが、やっぱり本気で英語力を養おうとすると、もっと骨太のイカツイ本で鬼のようにトレーニングする方が良いと思います。
もしご自身が初学者であれば、本書に時間を掛けずに、以前紹介した「どんどん話すための瞬間英作文」に時間を費やすほうが絶対にいいと思います。
結局、英語はインプットとアウトプットの反復が全てだな、とつくづく思う今日この頃です。
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