以下の記事で、
「結局、就職する上で優良な企業ってどこやねん!?」
という問いに対して、私なりに1つの答えを出しました。
その答えが以下に示したランキングです。
「就職優良企業=高収益×高年収」と考えた時、
一体どの会社が優良と言えるのかを
示したランキングです。
まだ見てない人は
以下の記事を見てみてくださいね。
上場企業売上高トップ1000を対象に
優良企業ランキングをずらららーっと示しています!
就活生は、
会社選びの材料の一つとして使えるので必見ですよ。
今回は『ダケジャナイ』で御馴染みの帝人を分析してみます。
ここは人気企業なので倍率が高いと思いますが、
帝人の経営状況を、
しっかり捉えたうえで面接に挑めば、
あなたのビジネス感覚が面接官に伝わります。
周りの学生が、
アルバイト、サークル、経営理念への共感といった
あてのない話をするのを横目に、
あなたは淡々とビジネスライクなトークで
面接を進める事ができるのです。
これは、大きなアドバンテージだと信じています。
なぜなら、
会社が採用したいのはあくまで『カネになる人材』だからです。
面接では、
あなたが業績に貢献できる人材であることを
面接官の脳裏に焼き付けます。
そのために、
経営を理解したトークは超絶効果的なのです。
この点を是非意識して頂いて・・帝人!
見てみましょうか。
目次
帝人の事業構成を理解する
まず、帝人の事業構成を確認しておきましょう。
リクナビを見ると事業内容は以下の6つとなっています。
■高機能繊維・複合材料事業
■電子材料・化成品事業
■ヘルスケア事業
■製品事業
■IT事業
■新事業開発推進
しかし、
このセグメント区分は2017年度から
以下のように変更されるようです。

大きく分けると3セグメントです。
『マテリアル』
『ヘルスケア』
『その他』。
では、
それぞれの売上と利益の構成比が
どうなっているかを見てみましょう。
事業別売上構成を理解する
以下のチャートは
2016年度の売上高内訳です。

売上高のほとんどがマテリアル(73%)なのが分かりますね。
次いでヘルスケアが20%を占めています。
「なるほど、マテリアルがメインの会社ね」
と思ったあなた。
実はそうとも言い切れないんですよ。
営業利益をみるとー・・
あれ?
7割以上の売上を誇るマテリアルは営業利益では全体の51%しかありません。
逆に、
ヘルスケアは全体の40%もの利益を叩き出しています。
ヘルスケアの売上構成は20%しかないのに、
営業利益で40%も占めているということは、
ヘルスケア事業の利益率が高いということです。
売上規模が大きなマテリアル事業と
利益率が高いヘルスケア事業。
これが2大セグメントだ、
という理解が正しい解釈でしょう。
売上高停滞に危機感
では、
ここで過去から現在の売上高トレンドを
追ってみます。
こちらをご覧下さい。

※合成繊維事業とポリエステル事業の線が途中で切れているは、セグメントの統廃合によるものです。
全体的に停滞しているのが分かります。
10年前と比べると2016年度の全社売上は-27%も減収です。
安定的に伸びているのはヘルスケア事業だけです。
(といっても伸長率は年3%ペースとかなり低い)
就活生の皆さんは、
今の帝人は『成長していない』と理解すると共に、
今後の帝人の成長に向けて、
どんな活躍が期待されるのかを
理解する必要があります。
これが理解できれば、
あとは、あなたがその戦略に貢献できることを示せばいいからです。
帝人のリバイバルプラン
では、
今後帝人は何に注力するのか
見てみましょう。
以下をご覧下さい。
こちらは帝人がもくろむ、
10年後の事業ポートフォリオです。

ごちゃごちゃして分かりにくいですが(笑)、
マテリアル事業とヘルスケア事業の2大セグメントはそのままにして、
新たな事業機会を見出したいようですね。
(ぼんやりしたイメージですね・・)
マテリアルとヘルスケア、
それぞれの戦略を見てみましょうか・・。
マテリアル事業の戦略
マテリアル事業の戦略は2つ。
『航空機・自動車ビジネスへの注力』と
『社会基盤インフラのニーズ拡大への対応』です。
『航空機・自動車ビジネスへの注力』の内容が
こちらのスライドです。

環境規制の高まりにともなう、
低燃費化の要請に応えるべく
『軽くて強い』素材を拡大する。
んー・・やはりちょっと分かりにくいですね笑。
でも、一つ言えることは、
今後は川下へ少しずつ進出していく算段だということです。
単なるサプライヤーではなく、
供給先とパートナーシップを組んで
プロダクトデザインや設計を
総合的に提案できる存在になっていくとのこと。

次。
『社会基盤インフラのニーズ拡大への対応』の内容はこちらのスライドです。

新興国を中心にインフラ更新が相次ぐと予測。
拡大するニーズに対応するために
新興国での拡販に注力すると同時に、
北米の工場に投資する計画です
(増産体制を組むのかな?)。
ヘルスケア事業の戦略
次はヘルスケア事業の戦略です。

新薬創薬の難易度が上昇すると言いながら、
創薬に注力するらしいです。
いや。
難化するからこそ、
注力すると理解すべきか。
あと在宅医療には
今後も注力するみたいですね。
帝人曰く、
ヘルスケア事業は基本的に
高齢化市場、すなわち日本国内をメインターゲットに据えていて、
海外展開の必要性は低いと捉えているようです。
帝人のグローバル戦略
帝人は各事業特性を鑑みながら
海外展開を考えています。
こちらをご覧下さい。

まず、
ヘルスケア事業は先ほど言った通り、
国内市場をターゲットにしているため、
海外進出の必要性は低いと評価されています。
一方で、
マテリアル事業の中でも素材提供型市場は
新興国を中心にインフラニーズが拡大していく
と予測しているため、
グローバル化の必要性は大。
また、
複合材料事業(自動車・航空機)は
欧米での市場開拓をもくろんでいます。
顧客であるメーカーと
協業してプロダクト開発を行いながら、
新たな潜在ニーズに応えていく戦略です。
まとめ
業績が停滞中の帝人。
今後いかに業績を回復させるのかが
気になる会社ですね。
正直、
個人的には帝人の決算説明資料からは
具体的な施策が見えてこないなーという印象です。
しかし、今も昔も変わらず
業界内でも平均以上の利益率を誇っていますし、
平均年収も775百万円と高い。
業績だけでは見えてこない
魅力がある会社なのかもしれません。
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