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はい、ここ↑までテンプレです
今回は検体検査領域をコア事業に成長を続ける医療機器メーカー『シスメックス』を取り上げます。
目次
凄まじい売上成長カーブ

これは1995年 以降の売上高のトレンドを示したグラフです。
「凄まじい成長」としか言いようがありません。
濃い青が国内売上、薄い水色が海外売上を示しているのですが、 海外の伸びが半端じゃないですよね。
国内の成長は停滞していますが、日本国内の医療機器市場って無数のニッチ企業の集合体と言われています。
それゆえ、国内での成長の難易度は極めて高い。ましてやシスメックスのほとんどの事業は既にグローバルシェアNo1です。同社の8割の売上がトップシェアの商品から生み出されているのです。
これを鑑みると、なおさら国内での拡大の難易度は高いと言えるでしょう。
今や医療機器のニッチ企業が成長機会を見出すためには海外での事業拡大しか道は残されていないと考えられます。
シスメックスはトップシェアばかり

先ほど触れた通り、シスメックスの売上の8割はグローバルトップシェアの商品から生み出されています。
上記円グラフは事業別の売上構成比を示しています。
基盤3事業のヘマトロジー、血液凝固検査、尿検査のすべてが世界トップシェアです。国内ではなく世界でトップなんですよ。
一体どうやってシスメックスは海外市場での成長を果たしたのか、ますます気になります。
まずはシスメックスのビジネスモデルを確認してみましょう。
シスメックスのビジネスモデル

シスメックスは検体検査領域で事業展開している会社です。
この領域でシスメックスがやっている事を例えるならば、ファミコン本体を売って、その上で各種ゲームソフトをたくさん売って稼ぎまくるゲーム業界のモデルに似ています。
シスメックスのモデルはこうです。
①検査機器を医療機関に売る
②機器を使う上で必要となる専用試薬をたくさん売って稼ぐ
③使用方法やアフターケアだけでなく学術的な面からもユーザーをサポートして顧客をホールドする
①の検査機器は高い機械ですが一度病院に設置されたら当分の間は買い替える必要がありません。
あくまで②の専用試薬を回転させて稼ぐのが基本スタイルなので、おそらく機械本体は低利幅で売っていると思われます。
汚い言い方をすれば、努力して本体の機器を病院にぶち込めば、おのずと消耗品の専用試薬が売れ続けるという仕組みです。
専用試薬は新興国の大規模な工場で大量生産されているはずなので、1個あたりのコストはとても安いはず。つまり試薬の利幅は大きい。
この利幅が大きな試薬で稼いだ結果、シスメックスの利益率は脅威の20%超えになっていると考えられます。
また、シスメックスはとことんユーザーに寄り添い商品の改良を続けると共に、③のアフターサポートの充実に力を入れることで競争優位を確立した会社。
このスタイルは海外にまで広がりをみせます。
海外での拡大戦略
シスメックスの海外進出は主に次の2つの手法によるものです。
1.海外代理店の買収(直販化)
90年代に入るまでシスメックスは海外の代理店に販売を委託していました。
ところが1991年にイギリスの代理店が事業撤退をしたことをきっかけに、現地代理店を買収を敢行しました。
なぜ買収したのか?別の代理店と契約する手も残されていたはずです。
代理店を介するとどうしてもユーザーとの間に「距離」が生まれます。
顧客に寄り添い、手厚いアフターサポートで差別化してきたシスメックスにとってこの「距離」はできるだけ埋めたかったのだとろうと推察します。
代理店買収によりシスメックスは海外での直販化を実現しました。
これにより海外ユーザーと密着して顧客満足度を上げるための活動を実行できるようになりました。
2003年には世界最大の市場である米国でも直販化を開始しています。
2.グローバルメジャーとの業務提携
もうひとつの手法がグローバルメジャーとの業務提携です。
海外進出をしようにも90年代のシスメックスは売上規模で200億円程度。事業をスケールさせるには小さすぎました。
そこで独自の技術力を武器にグローバルメジャー企業との提携を図っています。
1995年にシーメンス社と血液凝固製品に関する業務提携を結び、1998年にはロシュ社とヘマトロジー事業に関する提携を結んでいます。
世界ではまだ無名だったシスメックスが世界的メジャーと対等に提携を結ぶことができた事実はシスメックスの技術力の高さを表していると言えるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしょうか。
海外売上8割で急成長をしながら、利益率は20%を超える超優良企業です。
平均年収も785万円となかなかのもの。
今回の記事もシスメックスを志望するなら知っておいて損はしない情報だと思います。少しでも「これ使えそう」と思ったら、どんどん取り入れてください。
ちなみに今回も情報はシスメックスHPのIR情報から拾っています。
シスメックスに限らず、各社HPにあるIR情報は就活生にとっては宝の山です。必読ですよ。
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