こんにちは!会計大学院から民間に就職したやまびこ(@YamabikoR)です。
文系大学院生や、それを目指している人にとって、文系大学院生の就活不利説は、文字通り死活問題であり、まったくもって他人事ではないですよね。
ネットで文系大学院生の就職について調べると、「文系院だけはやめとけ」という意見が大半を占めているし、ほんと不安でたまらないですよね。
中には、「文系院でも不利じゃないよ!」なんて意見もあるので、ほんと混乱します。
できれば僕もここで、「心配すんな!文系大学院でも就職は不利じゃないぞ!」と言い放って、あなたの不安を取り除きたいのですが、残念ながらそれはできない。
気安くそんなことを言うべきじゃないと思うんです。
なぜなら、文系大学院生として就活したボクの体感値としても、やはり就活は不利だからです。
だから、民間企業への就職を考えている人には、文系大学院への進学を冷静に判断していただきたい。
文系大学院卒の正規雇用率
文系院生の就活不利説は進学を検討中のあなたにとって、最重要懸案事項ですよね。
実際に、悲観的に捉えるには充分すぎるほどの実績が残っているんです。
こちらをご覧ください。

出典:アカリク(https://acaric.jp/modules/static/index.php?content_id=207)
こちらはアカリクが調べた、文系院生の進路状況です。
このバーチャートを見ると一目瞭然。
文系院卒の約半数が正規雇用されていないんです。
これが現実なんですよ。
文系博士課程の正規雇用率
もちろん、文系の修士でも博士課程まで進んで研究者を目指す人もいるでしょう。
でも、ドクターに進む割合は多めに見積もっても10%〜20%です。
しかもです、、博士過程まで進んでも、卒業後に非正規雇用になる人の方が断然多いんですよ。
こちらをご覧ください。

出典:アカリク(https://acaric.jp/modules/static/index.php?content_id=207)
こちらは、博士課程修了生の就職状況です。
正規雇用されているのは、20%〜38%程度(ピンク)なのが分かりますよね。
そしてここでも、約半数は非正規雇用もしくはフリーターになっています(緑と青)。
文系院卒で新卒正社員になるのは半数以下
つまり、文系において学部卒業後に進学した人は、
50%以上の割合で正社員として新卒就職できていない(していない)
ということなんです。
文系大学院への就職というのはそのくらい、リスクがともなう道だということです。
だから、文系院への進学を考える人に「就職?ダイジョブ!ダイジョブ!」なんて、口が裂けてもボクは言えません。
むしろ、文系院卒には厳しい現実が待ち受けていると認識してもらうべきです。
そして、それでも進学するのであれば、それは同時に、「厳しさ相応の努力をする!と宣言しているに等しい」と認識すべきです。
なにも100%就職できない、と言っているわけではありません。
学部生と比べて、相対的に不利だと言っているだけです。
相応の努力と準備ができれば就職はできます(できました)。
文系大学院で民間就職しやすい領域
さて、ここからは文系大学院卒の”私の体感値”になりますが、
文系の修士でも就職活動で競争力を比較的もちやすい領域があると思っているので、ご紹介させてもらいますね。
それが、ビジネス系の領域です。
特に、会計大学院(アカウンティングスクール)。
定員割れが続いており、社会的な意義が問われたりもしていますが、
体感値的には他の人文系の専攻よりは就活上の競争力はあると思っています。
ただし、学部より不利なのは変わりません。不利相応の努力と準備は絶対に必要。
会計大学院生の就活(監査法人)
アカウンティングスクールのミッションは一般に、「公認会計士の養成」ということになっています。
会計士に受かった人は、ほとんどの人が監査法人に就職していきます。
で、会計士試験合格者にとって監査法人への就職ってのは比較的容易なんです。
人気の民間企業に比べて、単純に倍率が低い。
もちろん、年によって会計士不足や会計士過多など状況が異なるので、一概に簡単に就職できるとは言い切れません。
でも、総合職で民間企業に就職することに比べれば、断然イージーです。
会計大学院生の就活(会計士以外)
会計大学院って公認会計士の養成所だと思われがちですが、必ずしも、会計士になる必要はありません。
アカウンティングスクールで会計士試験に合格できなかったとしても、就活の戦い方さえ注意すれば、
新卒での就職は、他の文系専攻より有利だと思います。
入社時点で会計を理解しているという事実は、企業にとって、即戦力としての活躍を期待させるんです。(実際は即戦力になるのは難しいんですが・・)
大企業で経理系の仕事をしている私としても、会計知識ゼロの新卒新人を育てるのはホントに大変です。一人前になるにもかなりの時間を要します。
知識量と仕事のアウトプットの相関が高い仕事なのです。
それに大企業(主に上場企業)の経理は一般的に「めちゃ忙しい」です。
だから、新人に全てをこと細かに説明してあげる余裕がないことがほとんど。
基本的な会計のグランドルールはデフォルトで理解してくれてる前提がないと厳しいのです。
その結果、新人は自分で簿記会計の勉強をゼロから始める。
そんな新人が経理の最前線で活躍するのは何年もの歳月がかかってしまうんです。
こうなると経理が人事採用チームに求める要望はおのずと、「新人をよこすのは良いが、最低限会計を理解している奴にしてくれ」となるんですよね。
で、ここがチャンスなわけです。
少なくとも、大学院で会計を専攻した時点で、この要求は余裕で充足していますからね。
それに、学部生に多い「ちょっと簿記かじってました」系の人材との差別化も比較的容易にはかれます。
「知識の差が実務の差に直結する」という会計領域の特徴を、最大限に活かして就職活動をすれば、戦いやすいのです。
さいごに
ボクは会計大学院卒なので、ここでは、会計領域を例示しましたが、他にも同様の構図になる専攻領域は
あると思います。
文系大学院を検討中のあなたは是非とも文系院生の就職状況の現実を受け入れた上で、冷静に自分にとってベストなジャッジを下してください。
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