こんにちは!就活への当事者意識が異常な、やまびこ(@YamabikoR)です。
以下の記事で「結局、就職する上で優良な企業ってどこやねん!?」という問いに対して、ボクなりに1つの答えを出しました。
その答えが以下で示したランキングです。
「就職優良企業=高収益×高年収」と考えた時、一体どの会社が優良と言えるのかを示したランキングです。まだ見てない人は以下の記事を見てみてくださいね。
上場企業売上高トップ1000を対象に優良企業ランキングをずらららーっと示しています!
就活生は会社選びの材料の一つとして使えるので必見ですよ。
はい、ここ↑までテンプレです
さて、今回は、日本板硝子を見ていきます。ボクの作ったランキングでは353位にランクインしていますが、果たして、あなたにとって魅力ある会社と映るでしょうか。それではいきましょう!
関連記事:就職優良企業ランク291位!旭硝子(AGC)を就活生のために分析研究してみた
目次
日本板硝子の売上はほぼ欧州?
まずは日本板硝子の売上を事業別に分けたデータをみてます。
こちらをご覧ください。

このスライドでとくに注目してほしい点は2つあります。
1.主な事業は2つである
2.欧州ビジネスが最大(!)
まず、主な事業セグメントは2つなのがわかりますね。
建築用ガラスと自動車用ガラスです。
そして、ちょっと驚きなのが、売上の約4割弱が欧州市場で発生しているという点です。
- 建築用ガラスが15%
- 自動車用ガラスが23%
合わせて38%が欧州となっていますよね。
日本の会社なのに、欧州でのビジネスが最も大きい。これは、同業の旭硝子にはない明確な特徴なので、要チェックです。
実はこれには深いわけがあります。
日本板硝子は2006年に、自分の倍近くある大きな会社(英国のピルキントン社)を買収したのです。
当時の日本板硝子の売上は2,649憶円、他方、ピルキントン社は5,000億円でした。「小が大を呑む」買収だと話題になり、関係者を騒然とさせた過去があるのです・・。
となると、もはや日本板硝子は、ほぼイギリスの会社と言ってもいいのかもませんね。(←日本の会社です)
欧州はしっかり稼いでいる
さて、ここからは地域別に見ていきますよ。
まずは、業績に最も貢献している欧州から。

建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、ともに着実な成長を示していますね。
建築用ガラスは今後も需要拡大を見込んでいるため、休止中だったイタリア(ベニス)の製造ラインを再稼働させることで、拡大する需要に対応できる体制を整えたようです。前向きで勢いを感じますね!
自動車用ガラス事業は需要は維持されており、売上は微減です。ただし、VA(高付加価値)製品の販売割合が大きくなったことで、利益率は改善したとのことです。
利幅が高いもの(VA製品)を、たくさん売ったほうが利益になりますからね。販売する商品をうまくVA製品に移行している印象をうけます。
日本板硝子の屋台骨を支える欧州がしっかりと稼ぐ。しかも、市場はまだまだ堅調を維持していくとみている。
堅実な印象を受けます。
日本は住宅着工件数の低下が響く
欧州の次に稼ぎを生んでいる市場が日本です。

日本は若干減収しています。
そして、その要因は建築用ガラス事業にありそうです。
日本では住宅着工件数が減少しており、受注が伸び悩んでいるとのことです。外部環境に激しく依存しているビジネスはこのようなことになりがちですね。
さらに、原油が高騰したことで材料費が高くなってしまっています。この結果、製造コストが増大。利益も減少しています。
日本市場では、大幅なコスト削減が急務となっていることでしょう。
一方で、自動車用ガラス事業の売上は若干伸びています。
利益こそ減っていますが、これは一時的な費用が発生したためなので、今後は改善される見通しです。
ということで、日本市場は住宅着工件数の低下による、建築用ガラスの受注減が痛い状態になっていると言えますね。
コスト改善に本気で取り組まないと、利益改善も厳しい状況です。
北米は減退トレンド
次は北米を見てみます。

ご覧の通り、北米は売上の約7割が自動車用ガラス事業からきています。
北米は市場の減退を受けて、売上が若干減少しています。
ここも、継続的にコスト改善の策が講じられている市場になっています。
VA(高付加価値)製品へのシフトを目指している
いま、日本板硝子が全社をあげて取り組んでいる重要な活動があります。
それが、VA品への移行です。
VA品は高付加価値というだけあって、高い利益率を有しています。この商品の割合を増やしていくことで、全社の稼ぐ力を高めていく狙いです。

2018年度までは、VA製品の代表格として、オンラインコーティング、高透過ガラス、HUD、ADAS、スーパーUVカットなどがありました。
今後はこれらに加えて、さらなる高付加価値の新商品を発売していく計画になっています。
R&D費用のトレンド(新規事業を探索中か)
次に、研究開発費のトレンドを見てみます。
以下のグラフは事業別の研究開発費のトレンドを示したものです。

事業規模が大きい、建築用と自動車用ガラスの費用が最も多いというのは想定通りですね。
しかし、黄色(その他の事業)にご注目ください。じわじわと伸びてきてますね。
2011年度には事業間で最大3,000百万円もの差があったにもかかわらず、2018年度にはその差が1,260百万円にまで縮んできています。
この“その他の事業”の正体は、新規領域に関する研究開発です。ここには、他の企業や大学などと連携したインキュベーター活動が含まれています。
この新規領域の研究開発費が増加傾向にあるということは、日本板硝子の意志の表れだと思います。
既存事業への投資の割合を減らし、新規領域への投資を増やす。これは、れっきとした選択と集中だと思います。
日本板硝子のポイント
ここまで日本板硝子を調べて分かったポイントをまとめますね。
- メイン市場は日本ではなく、欧州(約4割を占めている)
- これは、2006年の英国ピルキントン社買収によるもの
- 欧州は堅調に推移
- 日本は建築用ガラスの市場が停滞しているのでコスト削減策が欲しい
- 北米も停滞しているのでコスト改善活動を継続しておこなっている
- VA(高付加価値品)へのシフトに注力している
- 研究開発は、選択と集中を行い、新規領域の探索に重きを置き始めている
以上、やまびこ(@YamabikoR)でした。
添付した情報はすべて、日本板硝子のホームページからの出典、および参考です。
【日本板硝子IR情報】http://www.nsg.co.jp/ja-jp/investors/ir-library
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