就活で企業研究をする人が多いですが、みなさんどうやって調べているでしょうか?
会社の理念、事業内容、各種制度、業界マップ、いろいろと見るところはあると思います。
おそらく、多くの人はナビサイトや、就活の業界本、企業採用ページなどを使って調べるでしょう。
でも、企業研究を経験したみなさん、正直どうでしょう。
なんか薄っぺらい情報を集めただけで、あんまり意味なかったなー、
なんて人も結構いると思うんですよ。
なので今回は、僕がやっていた『内定を取るためだけの企業研究の方法』をご紹介します。
この方法を実践できれば、面接で無双できる人も出てくるかもしれません。
目次
1.決算情報を使う
まず、企業研究で使う情報は『決算説明会資料』です。基本的にこれだけ。
「決算」「資料」と聞いて、アレルギー反応を起した人がいると思うので言っておきますね。
安心してください。
僕は「財務諸表」とは言ってません。
僕が言っている「決算説明会資料」は、もっと取っつきやすいものですし、数字の羅列でもありません。
1−1.決算説明会資料とは
企業は3か月ごとに、会社の成績を外部の投資家たちに説明しています。(上場企業に限るのですが・・)
その説明会で使っているスライドは、外部の人にも分かるように作られているので、就活生にとって宝の山なんですよ。
しかも、これは投資家向けのスライドなので、良いことばかりが載っているわけではないんですよね。
経営の「ヤバイこと」だって、投資家に説明すべきと判断されるものは、きちんとスライドに記載されるんです。(ナビサイトや採用ホームページは就活生向けのPRじみた情報ばかりですが・・)
決算説明会資料をつかえば、経営のリアルを理解できると思うと、圧倒的に有利になれそうな気がしてきませんか。
1−2.決算説明会資料の在り処
決算説明会資料はどこにあるのか。
上場している企業であればかならず企業ホームページに公開されています。
各社ホームページは『IR情報』や『投資家情報』という名前のページを用意しているはずなので、チェックしてみてください。
2.決算説明会資料の使い方
決算説明会資料にはたくさんの情報が載っているのですが、記載されている情報は大まかに言うと、以下の3つです。
・ 今期の成績
・ セグメント別の説明(良い点、悪い点)
・ 今後どうしていくか
就活生にとってはすべてが本当の意味で役立つ情報です。
では、使い方を説明していきます。(簡単です)
2−1.全社の業績を知る
まずは、会社の売上と利益がどうだったのか調べることから始めます。
といっても、通常は決算説明会資料のはじめのページにデカデカと載っているので、すぐに分かります。
売上は伸びているか、停滞しているか。
利益は伸びているか、停滞しているか。
ここで、業績の善し悪しをざっくり掴んでおくことが大事です。
【補足】昨年度以前の業績を見たいときは
決算説明会資料は、昨年度と今年度の業績しか載っていないケースが多いです。 去年以前の業績も見たい場合は、「アニュアルレポート」や「業績サマリー」を見てみてください。各社ホームページの「IR情報」「投資家情報」のなかに格納されているはずです。
2−2.業績の要因を見つける
業績の善し悪しが分かったら、つぎはその主な要因を探します。
どうして業績がよかったのか、悪かったのか。
この答えがわかると、会社が直面しているリアルな経営課題や、なにがこの業績を支えているのかが分かります。
2−2−1.セグメントを特定する
まずは、会社の業績にもっとも影響を与えている「事業セグメント」を見つけると、調査しやすいです。
ということで、ここではセグメント別の売上(または利益)の情報を探すことになります。
多くの会社は、以下のようなパイチャートでセグメント別の割合を見せています。(以下は日本光電の例です)

https://www.nihonkohden.co.jp/ir/
ちなみに、決算説明会資料に載っていない場合は、上記で【補足】したアニュアルレポートをチェックしてみてください。
ほとんどの企業で載っているはずですので。
売上(もしくは利益)の割合が大きいセグメントを見つけたら、その事業がもっとも会社の業績に大きな影響を与えていると理解してください。
つまり、業績が良い(もしくは悪い)最大の原因が、このセグメントに隠されている可能性が高いということです。
2−2−2.特定したセグメントの業績説明をみる
会社の業績にもっとも大きな影響を与えているセグメントが分かったら、そのセグメントの業績説明を見てみることです。
これは決算説明会資料にのっているはずです。
そのセグメントで今期何があったのか、それによってどんな業績になったのか、説明されているので、熟読することです。
おそらく、会社の業績が良い(もしくは悪い)理由はここで見つかります。
もし、見つからない場合は、他のセグメントの業績説明もチェックしていくことになります。
各社のセグメントの業績説明がどんな感じで開示されているか気になると思うので、ひとつだけ企業事例を載せておきます。
例)カシオ計算機

カシオ計算機はコンシューマ事業、とりわけGショックに代表される時計商品が成長ドライバーになっています。
2−2−3.会社の成長ドライバーを考える
会社の業績がなぜ良かったのか(悪かったのか)、、この主要因がわかったら、今度は、この会社の業績をもっとも突き動かしている要因(成長ドライバー)を自分なりに考えてみることです。
これ、「自分なりに考える」というのが重要なポイントです。
決算説明会資料を使い、会社経営のリアルを見て考えたことを自分なりに言葉にできれば十分です。
3.志望動機にも自己PRにも
ここまで調べて、自分の意見まで出来上がれば、あとは志望動機や自己PRに盛り込んでいくとイイ感じです。
会社の状況をここまで知れば、自分にとってなにが魅力なのかが見えてきているはず。
自分の資質がこの会社のどんな局面で活きそうか?ぜひ考えてみることをオススメします。
ちなみに、会社説明会がまだの場合は、この企業研究で打ち立てた自分の意見(仮説)を検証する意識で出席することを強くオススメします。
とくに、先輩社員との座談会的なチャンスがあれば、いろいろと考えたことを検証するために聞いてみると良いですよ。
自分で調べて得た仮説が、座談会で確認できた場合、その話はその後の面接で強力な武器になりますからね。
「経営理念に共感しました。」というレベルの話をしているライバルとは、完全に一線を画した存在になれるはずです。
ここまでやっている人は少数派
正直、経営の視点からここまで会社を調べあげ、自分の意見を持てている人はほとんどいないんじゃないかと思います。
その他大勢の人たちの企業研究は、せいぜい企業理念を頭に入れて、業界地図を見たり、口コミを調べるくらいのものだからです。
「ここだけ本気で内定を勝ちとりたい。」と思っている会社を受けるときは、決算説明会資料を有効に使って、その他大勢から抜け出してください。
納得のいく就活になることを祈っています。
企業別の研究記事はこちら
就活生にむけた、企業研究記事をどんどん増やしています。
ぜひとも参考にしていってください。
