先日、就活に役立ててもらう目的で、パナソニックの企業研究記事をかきました。
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この記事で、パナソニックは2011年3月期以降、継続して売上が停滞しており、本業の利益も停滞していると言いました。
そんなパナソニックについて、こんな記事『パナソニック、60年目の欧州再挑戦 日本の技で 』がありました。
「欧州でのテレビ事業の不振が続くなか、欧州の家電事業に再挑戦する」という内容です。
パナソニックが機会を見出したのは、美容家電と省エネ型空調機器。販路や営業体制だけでなく、現地生産化するなど、欧州家電事業の動きは活発なようです。
ここで、パナソニックの欧州事業の状況について、少し整理しておくので、就活で使えるネタとして参考にしてみてください。
パナソニックの地域別売上構成

パナソニック全体における、欧州の売上割合は10%しかありません。
欧州家電について言えば、18年度に洗濯機や冷蔵庫といった大型家電から撤退した経緯もあります。
これが原因で割合が低下している可能性があると思い、2011年度の割合も見てみましたが、9.4%しかありませんでした。
また、2017年度から18年度のスモール・ビルドイン事業(美容家電が属する事業)の伸長も、欧州は鈍くなっています。

これらを見る限り、現状のパナソニックにとって欧州市場は、まだまだマイナーな位置づけと言えそうです。
パナソニックの欧州市場は鬼門
そんなパナソニックにとっての欧州市場は、いわば「鬼門」とも言える市場です。
韓国サムスンにやられて、テレビ事業は低迷しており、車載表示機器システム開発にも失敗しているんですよね。
欧州テレビ事業の低迷

アプライアンス事業の欧州市場では、主力のテレビの販売が苦戦を強いられ、減収減益という状況です。
日本国内では未だにパナソニックの存在感は強いですが、欧州では、韓国のサムスンにシェアで負けている状態です。
いまやテレビは商品の差別化が難しく、価格競争の様相を呈しているなか、韓国サムスンとの競争は消耗戦になりつつあると考えて良いのかもしれません。
車載表示機器システム開発に失敗している

欧州が鬼門という理由はテレビ市場の苦戦だけではありません。
パナソニックは2019年3月期に、欧州で手がける車載インフォテインメント(表示機器)システムのソフトウェア開発で失敗しています。
これによる損失額は明かされていないようですが、上記19/3期の利益低下の主要因として説明されているので、巨額でしょう。
2025年にむけて欧州事業を20%伸ばす
それでも、パナソニックはやや強気な発言をしています。
独ベルリンにて開催された「IFA 2019(国際コンシューマエレクトロニクス展)」というイベントでこう言っています。
「事業全体で2025年に向けて20%増の成長を目指す」
冷暖房ソリューション、デジタルイメージング、キッチン用家電、美容家電に注力すると明言しています。
鬼門と言える欧州市場ですが、
グローバルでのプレゼンスを発揮するためには、欠かせない巨大市場であり、最も創意工夫が必要な市場でもあります。
今後の欧州市場での動きに注目です。